こんにちは。
今夏も連日続いた酷暑日から、秋の気配が感じられはじめ2026年もあと少し。
秋を感じ始める季節の移り変わり、山々や自然が徐々に色付いていきます。
秋は稲穂が黄金色に輝くと収穫の時期。
そんな田園も訪れる時期や日時など見方を変えれば絶景スポットとなり、全国には多くの美しい田園が点在しています。
そして、田んぼでも昔からそこの土地や地形を活かした棚田。
1999年7月26日に農林水産省によって発表された「日本の棚田百選」があるほど。
皆さんも知る代表的な棚田がこちら。
- 小さな田んぼが375枚重なる「大山千枚田」(千葉県鴨川市)
- 平安時代から月名所として知られる「姨捨の棚田」(長野県千曲市)
- 日本海に面した急斜面に小さな田んぼが重なる「白米千枚田」(石川県輪島市)
- 鞍掛山のふもとに広がる石垣づくりの美しい「四谷千枚田」(愛知県新城市)
- 日本一とも称される約1,340枚の圧倒的な枚数を誇る「丸山千枚田」(三重県熊野市)
今回は、その中でも埼玉県内最大級とされる横瀬町『寺坂棚田』をご紹介します。

早速、畦道には彼岸花が白く咲きはじめています。
駐車場

国道299号線から”横瀬町民会館”横を入り、道なりに進むと『寺坂棚田』の看板と駐車場が右手に見えてきます。

普通車15台くらいの駐車可能なスペースがあり、駐車場の端には公共の男女トイレが設置されています。
駐車場から棚田までは遊歩道で歩いていけます。
寺坂棚田
今回訪れたのは、9月初旬の陽が落ちる時間帯。
夕日色に照らされた棚田が全体を黄色く染めています。
横瀬町寺坂棚田
横瀬町の寺崎棚田は秩父盆地の東部、武甲山を南方に仰ぎ、横瀬川(荒川支流)とその支流曽沢川との合流点に位置する。標高は230m~270m、下段の川原田と上段の丸山林道との標高差は40mあり、東西400m、南北250m、約5haの規模を有する棚田には、約330枚の水田がある。その南面には「寺坂遺跡」と呼んでいる縄文遺跡があり、昔から人々が居住した所として知られている。正面には武甲山の雄姿を望む展望の場でもある。
寺坂棚田の南を流れる横瀬川は、古くは曽沢川との合流点で大きく南に流路をとり200mほどでUターンして再び棚田の西側を流れていた。現在の町民会館はこの旧河床に位置しており、この流路により形成され、突出した段丘は「ブッテエヤマ」と呼ばれている。寛保2年(1742年)、水害により段丘は分断され、現在の流路に一変した。
寺坂の地形は古く、2万年前の最終氷河期以前と推測され、高篠山から流れる曽沢川の扇状地である。寺坂遺跡では、発掘調査により竪穴住居跡や石斧の工房跡が発見され、縄文中期(4.500年前)、高篠山に分布する御荷鉾緑色岩類の岩石を利用した磨製石斧の大量生産を行い、広い地域に供給していたことが伺える。
寺坂棚田の景観は、長い年月をかけて先人が開発した貴重な遺産である。江戸後期の「新編武蔵風土記稿」によれば「屋敷跡 小名寺にあり。横瀬六郎左衛門なる者の邸跡なりと云伝う。その続きに字今市と云る所には町屋ありて市など立ちしよし。」と記され、横瀬町では古くから開けた場所と考えられている。今日に至るまで横瀬氏館跡を伝え、今市にはこの地に居住した人々の古い墓があった。
「ウォーターパークシラヤマ」にある白山社は、町指定有形文化財「今市の石塔」が御神体として安置され、これは緑泥片岩製の組立式の宝塔で、文安2年(1445年)銘を刻む。横瀬氏との関わりを示す重要な文化財である。
寺坂に伝わる小地名には、「ドウジョウ」「シロノアト」「ナカテラサカ」「アブダ」「デクリンボウ」などがあり、各々が歴史を物語る。棚田の終わる所まで登った丸山林道の北側は、数十年前に埋め立てるまでは窪地であり、石塔もあって、寺跡と伝えられていた。これが「寺坂」の地名に関わる最も有力な伝承である。
寺坂棚田 説明書き

山に育てられる棚田
山林と棚田はその位置関係において深い関係があります。
全国的に棚田の位置する場所の多くは、この寺坂棚田と同様にその上部に山林を擁しています。
現在のように、棚田に用水路がひかれる以前は、山からの湧水が棚田の水源になっていたと考えられます。
現に、ここ寺坂棚田でも湧水箇所が多く、年間をつうじて湿潤な田が存在し、このような田から下流の田へ順次水を引いていったのです。
また棚田は、落ち葉などの有機肥料を山林から採取しやすく、山からの湧水は、山林が蓄えたミネラルを含むため、稲作に必要な自然の養分を供給されやすい環境にあります。以前から寺坂棚田の米は美味しいと言われてきました。それはこのようなことにも起因するのではないでしょうか。
海沿いにある、いわゆる「魚付き林」は豊かな漁場を作ります。荒廃した漁場を昔の豊かな漁場として蘇らせるため、山林の育成を行っている地域もあります。
このように山林はさまざまな役割を果たしています。その山林の恵みを受けている棚田も多くの生き物を育み、水源を涵養するなど、山林同様多彩な働きをしています。この寺坂棚田を健全な形で後世に引き継ぐためにも、棚田を取り巻く山林の保全は大切なことなのです。
寺坂棚田 説明書き
東屋

棚田の中央には、棚田の眺望や休憩の場として東屋が設置され、遊歩道は地元の方も散歩コースとしても利用されています。
Date&Access
【住所】埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬字寺坂 (横瀬駅から車で5分)
【電車の場合】西武秩父線 横瀬駅下車、徒歩15分/秩父鉄道 御花畑駅下車、徒歩40分
★横瀬駅よりシャトルバス運行あり(9/27のみ)
シャトルバス運行時間:10時~15時の間(約30分程度の間隔で周遊)
道順:横瀬駅ー町民会館駐車場ー寺阪棚田ー町民グランド駐車場ー武甲温泉ー横瀬駅
【駐車場】寺坂棚田南側駐車場(16台程度)
【トイレ】あり(男女別)
『寺坂棚田』の位置は、Googleマップを貼り置きますのでぜひ参考にしてください。
まとめ
最後に、こちらを告知。
今月の27日(日)に「寺坂棚田 彼岸花まつり」が開催されます。

- 日時:令和8年9月27日(日) 午前10時~午後3時頃
- 催し物:赤飯などの販売、棚田農産物直売、たんぼのまんなか演奏会
- 【車の場合】国道299号沿い横瀬町町民会館屋外駐車場(横瀬町横瀬2000)(徒歩8分)/ウォーターパークシラヤマ駐車場(横瀬町横瀬2035)/横瀬町町民グランド(横瀬町横瀬6351)
※ 寺坂棚田南側駐車場9/26~28閉鎖
※ 駐車場が不足しておりますので、電車でのご来場をおススメします。
広大な棚田には、彼岸花の朱色と稲穂の黄金色のグラデーションは田園の初秋が楽しめます。
また、催し物も用意されているので、今年は横瀬町の秋の風物詩を楽しんではいかがでしょうか。
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